Claude Code にはスキル(Skills)という機能がある。スラッシュコマンドで呼び出すと、その用途に特化したサブエージェントが起動して作業を代行する仕組みだ。

使っていない人がいても不思議ではない。Claude Code の画面には特に案内が出るわけでなく、/を入力して気づくか、ドキュメントを読んで知るかのどちらかが多い。この記事では、スキルとは何か・どう動くか・実際に何が使えるかを一通り整理する。


スキルとは何か

スキルは、特定の目的に絞った専用のシステムプロンプトとツールセットを持つサブエージェントだ。

通常の Claude Code の会話は、汎用的なモデルとやりとりする。スキルを呼び出すと、そのタスク専用の指示と道具を持ったエージェントが別途起動して仕事をする。会話のコンテキストを汚染せず、専門性の高い判断ができる点が通常の会話との違いだ。

使い方はシンプルで、チャット欄に /スキル名 と入力するだけ。引数が必要なスキルは /スキル名 引数 の形式で渡す。

/code-review
/code-review --fix
/verify
/loop 5m /code-review

代表的なスキル一覧

スキルはいくつかのカテゴリに分けて整理できる。

コード品質系

スキル 用途
/code-review 現在の差分をレビューして、バグ・改善点を指摘する
/simplify 変更箇所のリファクタリングを提案・適用する
/security-review セキュリティ観点でのレビューを行う

/code-review は引数でふるまいを変えられる。

/code-review          # 指摘のみ
/code-review --fix    # 指摘した内容を自動で修正する
/code-review --comment  # GitHub PR にインラインコメントとして投稿する

# 深度の指定
/code-review low      # 高確度な指摘のみ(少なめ)
/code-review ultra    # クラウドでマルチエージェントによる深いレビュー

ultra はローカルではなくクラウドで動く。費用がかかる点に注意が必要だが、大きな変更セットの最終確認に向く。

動作確認系

スキル 用途
/verify アプリを実際に動かして、変更が意図どおり動作するか確認する
/run アプリを起動して画面を見ながら動作確認する

/verify はテストを通過したかどうかではなく、「フィーチャーが実際に動くか」を確かめる用途に使う。コードの正しさとフィーチャーの正しさは別物であり、テストが通っていても動いていないケースの確認に有効だ。

設定・初期化系

スキル 用途
/init CLAUDE.md を新規生成する
/update-config settings.json への設定変更・Hooks の追加など
/keybindings-help キーバインドのカスタマイズ
/fewer-permission-prompts よく使うコマンドを許可リストに追加して確認ダイアログを減らす

/update-config は「〜するたびに〇〇を実行してほしい」のような繰り返しの自動化をHooksとして設定する際に使う。会話の中で指示するだけでは Claude Code は次のセッションでそれを覚えていないが、settings.json に書けば永続する。

/fewer-permission-prompts は地味に効く。よく使う Bash コマンドや MCP ツールを自動で検出して許可リストを生成してくれる。確認ダイアログが減ると体感的なテンポが変わる。

繰り返し・スケジュール系

スキル 用途
/loop 指定の間隔でコマンドを繰り返し実行する
/schedule クラウド上でスケジュール実行するエージェントを作成する

/loop は CI の完了待ちやデプロイ確認などのポーリングに使える。

/loop 5m /verify        # 5分ごとに verify を実行
/loop                   # 間隔なし(モデルが自分でペースを判断する)

レビュー・参照系

スキル 用途
/review PR をレビューする
/claude-api Claude API のモデル・料金・パラメータを参照する

/claude-api はモデル選定や API 実装時の確認に使う。LLM 関連の情報は変化が速く、トレーニングデータが古いモデルに聞くと間違いが出やすいため、専用スキルで最新情報を引ける点が助かる。

プラグイン系(Vercel)

Vercel の CLI が導入されている環境では、vercel: プレフィックスのスキルが使える。

/vercel:deploy          # プレビューデプロイ
/vercel:deploy prod     # 本番デプロイ
/vercel:status          # デプロイ状況の確認
/vercel:env             # 環境変数の管理

インフラ操作をチャットから行える点が特徴だが、本番デプロイは確認なしに走るので注意が必要だ。


実際に使い始めるときの優先順位

全部を同時に使う必要はない。効果が大きく、副作用が小さいものから入るのが現実的だ。

まず入れてよかったと感じやすいもの:

  1. /fewer-permission-prompts ── 一度走らせるだけで確認ダイアログが減る。体験が変わる
  2. /code-review ── コミット前の習慣にすると diff の見落としが減る
  3. /code-review --fix ── 指摘と修正を一括でやりたいときに

少し慣れてから使うもの:

  1. /verify ── フィーチャーの動作確認をエージェントに任せる
  2. /loop ── ポーリングや定期確認が必要なワークフローで
  3. /update-config ── Hooks で自動化したいタイミングで

ultra レビューや /schedule はコストや設計が絡むため、通常の用途に慣れてから考えれば十分だ。


スキルを自分のプロジェクトに追加する

プロジェクト固有のスキルを作ることもできる。.claude/ ディレクトリにスキル定義ファイルを置くと、そのプロジェクト内でだけ有効なスラッシュコマンドになる。

たとえば「このプロジェクトのデプロイ前チェックをまとめて実行する /preflight スキルを作る」といった使い方ができる。繰り返し使う一連の作業をスキルとして定義しておくと、引き継ぎや共有がしやすくなる。


まとめ

カテゴリ 代表スキル 用途
コード品質 /code-review 差分レビュー・自動修正
動作確認 /verify フィーチャーの実際の動作確認
設定 /update-config Hooks・許可設定の永続化
効率化 /fewer-permission-prompts 確認ダイアログの削減
繰り返し /loop ポーリング・定期実行
インフラ /vercel:deploy デプロイ操作

Claude Code の通常会話でできることは多いが、スキルはその用途に特化した文脈と道具を持って起動する点で質が違う。コードレビューや動作確認のような繰り返すタスクほど、スキルに任せる効果が出やすい。

まず /fewer-permission-prompts/code-review を試してみるのがいい出発点だ。


参考